第一章では、ただ地面だけを見て一生過ごすはずのアリが宇宙を見上げた奇跡! 第二章では、最古の獣脚類恐竜エオドロマエウスの発見談と、恐竜時代の夜明けを告げた金星「明けの明星」。第三章では、「地球に過適応してはいけない」という恐竜たちのメッセージを託されたホモサピエンス(知性あるヒト)の、宇宙へのあこがれと生命へのいつくしみが根底に流れるテーマとなっている。

 特に、ホモサピエンスの天窓は、初めて望遠鏡で宇宙を見上げたガリレオの時代から、NASAが打ち上げたハッブル宇宙望遠鏡まで、宇宙に思いの丈を伸ばして進化し続けている。木々が太陽に向かって、枝葉を伸ばすように……。それが「地球伝説」のようなSF短編小説になったり、「森の人」(オランウータン)のような滅びゆくものの生命讃歌になったりしている。

 この小説ともエッセイとも、発掘記とも分類できない新しいジャンルの短編集を皆様どうぞご愛読ください。                                                長尾衣里子

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※東海化石研究会では、取り扱っておりませんのでご注意ください。




『三つの天窓――アリ・恐竜・ホモサピエンスの見上げた宇宙

     長尾衣里子著(誠文堂新光社)/A580P1000円+税