松本市周辺の第三系からは魚化石や魚鱗化石が見つかることが古くから知られており、特に別所層からのものがは有名である。しかしながら、全容というものがまとめられることはこれまでなかった。近年私どもの会の大江文雄先生と小池伯一さんを中心とした信州新町化石博物館の研究メンバーが中谷をはじめとする新産地からの標本の採集と研究をすすめ、多くの魚類化石の研究が新たに世に出ることとなった。これらの研究は信州新町化石博物館ができたことによる成果ともいえる。本書はそれら魚化石を普及教育の題材としてわかり易くまとめなおしたものである。カラー図版であること。現世の対象魚の図もカラーでついていること。図版リストが付いていることなど。普及版といいながらも大変に資料的価値も高い1冊である。著者の小池伯一さんは言うまでもなく古くからの私どもの会の会員でもある(詳しくは本文p.55を参照)。私たちとの交流がこのような本を生むきっかけとなったとするならば大変にうれしく思う。更なる続編の出版が愉しみでもある。今後もがんばっていただきたい。(蜂矢喜一郎)

書籍の申し込み先 〒390-0865 松本市新橋3-17 小池伯一
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※東海化石研究会では、取り扱いはございません。

松本盆地の魚化石をさぐる―自然観察資料(魚類化石編)―

信州新町化石博物館館外学芸員 小池伯一 著 /総ページ数p.36/価格1,500円(送料込み)